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自然の力を活用したパッシブ設計-02-

2025.01.29 スタッフコラム

こんにちは、atelier SUBACO 広報担当です。
※こちらのコラムでは毎週、月・水・土曜日に「家づくりに役立つ情報」を発信しています!

厳しい寒さが続いていますね。

皆様、体調はいかがでしょうか?

インフルエンザや風邪が流行していますので、お身体に気をつけて、元気にお過ごしくださいね!

 

さて、今週のテーマは「無暖房住宅と省エネ設計」についてお話しします。

注文住宅を計画する際、多くの人が「快適な住まい」を求めています。

せっかくお家を建てるなら、毎日がもっと心地よく、快適に過ごせる場所にしたいものですよね。

家はただの「住む場所」ではなく、毎日の生活を豊かにしてくれる大切な空間です。

だからこそ、温かい冬や涼しい夏、季節を問わず一年中快適に過ごせる工夫が求められます。

そのためには、家づくりの段階で、エアコンや暖房だけに頼らない「設計」の力が必要になります。

高気密・高断熱なお家づくりや、自然の力をうまく活用するパッシブデザインを取り入れることで、どんな季節でも快適に過ごすことができ、さらに省エネにも繋がります。

そこで今週のコラムでは、そんな理想の住まいを実現するための具体的なポイントを、3回の記事にに分けてお伝えしていきます。

お家づくりの参考にいただけますと幸いです ^^

 


 

前回のコラムでは、省エネ住宅の基本と断熱性能の重要性についてお話いたしました。

(まだお読みでない方はこちらからご覧いただけます)

第二回となる今回は、夏涼しく冬暖かい住環境を実現するための「自然の力を活用したパッシブ設計」についてご紹介いたします。

自然の力を上手に活用することで、エネルギー効率をさらに高め、快適な生活空間を作り上げるためのポイントをお伝えしていきます ^^

 

パッシブデザインとは?

パッシブデザインとは、人工的なエネルギーを極力使わずに、自然の力(太陽光、風、温度差など)を上手に活用して室内の温度や湿度を調整する設計手法です。

このアプローチにより、冷暖房の使用を最小限に抑え、エネルギー消費を削減しながら快適な住環境を作り出すことができます。

パッシブデザインは、環境にも優しく、生活コストの削減にも寄与するため、持続可能な住宅づくりには欠かせない要素です。

 

|夏涼しく、冬暖かく過ごすためのパッシブデザインのポイント|

① 日射遮蔽

日射遮蔽とは、夏の強い日差しを遮ることで室内の温度上昇を抑える工夫のことです。

太陽光が建物や室内に直接当たるのを防ぐ設計のことを指し、軒の出や庇(ひさし)、ブラインド、緑のカーテンなどを利用して直射日光を防ぎます。

太陽光が建物に直接当たるのを防ぐため、室内の温度上昇を防ぎ空調の使用を抑えることにもつながります。

~ 日射遮蔽の具体例 ~

・庇(ひさし)の設置

庇とは、建物の外壁から突き出して取り付けられた屋根のような構造物のことです。

夏は太陽が高く昇り、正午頃には最も高い位置に達することで、直射日光が建物に強く当たり室温が上昇しやすくなります。

夏に対し、冬は太陽の位置が低く、日中でも太陽が低い角度で建物に当たることで室内に多くの自然光が入ってきます。

そのため大きな庇を南側の窓に設置することで、夏の強い日射しを遮り室温の上昇を抑え、冬には自然光をたくさん取り入れることができるので、1年を通して快適な気温を保つことが可能になります。

庇を設置することで、必要最低限の冷暖房で過ごすことができるため、電気代の節約にもつながるといったメリットがあります。

・シェードやブラインドを活用

シェードやブラインドは、日射遮蔽の効果的な方法として広く活用されています。

外部に設置するシェードは、窓や壁に直接太陽光が当たるのを防ぎ、室内温度の上昇を抑えます。

庭やバルコニーに取り付けられる屋外用のシェードは、設置が簡単で手軽に日射遮蔽を実現できる点が魅力です。

また、窓の外側に取り付ける外付けブラインドは、太陽光を建物内部に入る前に遮断するため、非常に高い遮熱効果を発揮します。

ブラインドの角度を調整することで、必要な光を取り入れつつ、室内の熱を効果的に防ぐことができ、特に住宅密集地やスペースが限られた場所でも有効な方法です。

 

② 風の通り道を作る

夏場は、涼しい風を取り入れて室内を快適に保つことが大切です。

そのためには、風が通り抜けやすい間取りを意識した設計がポイントです。

特に有効なのが、対角線上に窓を配置する方法です。

対角線上に位置する二ヵ所の窓を開けると、部屋全体に空気の通り道ができ、効率よく広い範囲を換気することが可能になります。

このように風の流れを考慮した設計を取り入れることで、夏場や湿気が多い時期でも室内にこもった空気をスムーズに排出でき、自然の風を活かして暑さを軽減する効果が期待できます。

 

③ 太陽光の取り込み

冬には、太陽の熱を取り込むことで、暖房の負担を軽減することができます。

南向きに大きな窓を設けることで、冬の日差しを積極的に室内に取り込むことが可能です。

冬の間は太陽光が低く差し込むため、南向きの窓からの光を最大限に活用することで、室内の温度を自然に上げることができます。

また、日射量が多い日に部屋を暖かく保つことができるため、エネルギー消費の削減にも繋がります。

 


 

|自然素材の活用|

自然素材(木材、漆喰、珪藻土)は、調湿効果が高く、室内の温度や湿度を調整する役割を果たします。

特に、冬の乾燥した時期や夏の湿度の高い時期には、自然素材が調湿機能を発揮することで、人工エネルギーに頼らず快適な室内環境を実現します。

・漆喰

漆喰は多孔質な素材で、表面に無数の微細な孔(あな)があります。

この孔が湿気を吸収したり放出したりすることで、室内の湿度を調整します。

湿度が高いときには漆喰が湿気を吸収し、乾燥しているときには吸収した湿気を放出するため、室内環境を快適に保ってくれる効果があり、「 呼吸する壁 」とも言われています。

特に湿度が高くなりがちな夏場には、その効果をより実感できます。

また、漆喰は湿気だけでなく匂いも吸収し、優れた消臭効果を発揮するため、快適で心地よい住環境を整えてくれます。

・木材

木材は漆喰と同様に、湿気を吸収したり放出したりする特性を持ち、室内の湿度を自然に調整します。

湿度が高いときは湿気を吸収し、乾燥しているときは放出することで、快適な湿度を維持します。

この自然な調湿機能によって、夏の湿気や冬の乾燥を防ぎ、年間を通じて快適な室内環境を実現します。

これらの素材を適切に活用することで、エネルギー効率を高めるだけでなく、室内の温度や湿度を自然に調整し、より健康的で快適な生活環境を作り出すことができます。

 


 

以上、「自然の力を活用したパッシブ設計」についてお話いたしました。

自然の力を活用した設計、いわゆるパッシブデザインは、省エネ効果を高めるだけでなく、季節ごとの温度変化にも柔軟に対応し、快適な室内環境を実現します。

日射遮蔽や風の通り道、太陽光の取り込み、そして自然素材の活用など、さまざまな工夫を施すことで、エネルギー効率の良い家づくりが可能になります。

これらの要素をうまく取り入れながら、四季を通じて快適な住まいづくりを進めていただければ幸いです ^^

 

次回のコラムでは、「省エネ設備を活用した無暖房住宅の実現」についてお話していきますので、お楽しみにお待ちください!

それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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