
【前編】「注文住宅で家の一部をお店にする」メリットと設計のポイント
こんにちは、atelier SUBACO 広報担当です。
※こちらのコラムでは毎週、月・水・土曜日に「家づくりに役立つ情報」を発信しています!
3月に入り、暖かい日が増えてきましたね ^^
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
寒暖差で体調を崩しやすい時期ですので、どうぞご自愛ください!
さて、今週のテーマは「店舗併用住宅」についてです。
早速ですが、「自宅の一部をお店にして、自分らしい働き方を実現したい!」そう考えたことはありませんか?
最近では、カフェやサロン、雑貨店などを自宅で開業する「店舗併用住宅」が注目されています。
通勤不要でコストも抑えられ、自分のこだわりを活かせるのが大きな魅力です。
しかし、住まいと店舗を両立させるためには、設計や法律面での工夫が欠かせません。
適切なプランニングをしなければ、住み心地やお店の使い勝手が悪くなってしまうことも…。
そこで今回は、店舗併用住宅を成功させるための「メリット」「設計のポイント」「法規制」「施工事例紹介」などを2回の記事に分けて詳しく解説していきます!
これから家を建てる方や、自宅でお店を開きたいと考えている方は、ぜひ参考にいただければと思います ^^
今回は第1回として、「注文住宅で家の一部をお店にするメリットと設計のポイント」をご紹介いたします。
店舗併用住宅って?
店舗併用住宅とは、住宅と店舗が同一の建物内に併設されている住宅のことです。
つまり、住居部分と商業部分(例えば、店舗や事務所など)が一体となった建物の形態です。
このような建物は、住む場所と仕事の場所を一つの場所で兼ねることができるため、特に個人商店や小規模なビジネスを営む方に人気があります。
例えば、1階部分が店舗として使われ、2階以上が住居として使われるケースや、平屋建ての店舗併用住宅などが一般的です。
店舗併用住宅は、住居と店舗の両方を持つことで生活の利便性が高まり、賃貸物件としても需要があるため、投資用としても利用されることがあります。
【 店舗併用住宅のメリット5選 】
① 通勤時間ゼロ
自宅内に店舗があるため、毎日の通勤が不要になり、時間を有効活用することができます。
特に子育て中の方や、趣味と実益を兼ねてお店を開きたい方にとっては大きなメリットです。
満員電車や渋滞のストレスがなくなり、朝の時間をゆとりを持って過ごせるのも魅力です。
また、急な天候の変化や体調不良の日でも無理なく働けるため、柔軟な働き方が可能になります。
② 住宅ローンを活用できる
店舗を併設した家を建てる場合、住宅ローンは利用できるのかと疑問に思う方も多いですが、一定の条件を満たせば利用することが可能です。
まず、住宅ローンを適用するためには建物の50%以上が住居部分であることが条件となります。
例えば、1階が店舗・2階が住居の場合、建物全体の面積に対して店舗部分が50%未満であれば、住宅ローンの対象となる可能性が高くなります。
住宅ローンは一般的に事業用ローンよりも金利が低く、返済期間が長く設定できるため、住居部分の割合を考慮しながら計画することが大切です。
また、店舗併用住宅の建築にあたっては、住宅ローンに加えて、補助金や助成制度を活用することで初期費用を抑えることも可能です。
例えば、新規開業者向けの「創業支援の補助金」を利用すれば、開業資金の一部を補助してもらえる可能性があります。
さらに、高断熱・高性能住宅を建てる場合には「省エネ補助金」を受けられることがあり、設備投資の負担を軽減できます。
加えて、古い住宅を活用してお店を開く場合、自治体によっては「空き家活用助成」などの支援制度が用意されていることもあります。
このように、住宅ローンと補助金を上手に活用すれば、自己資金の負担を抑えながら理想の店舗併用住宅を実現することができます。
特に「店舗付きの家を建てたいけど、資金計画が不安…」という方は、住宅ローンに詳しい金融機関や専門家に相談しながら、自分に合った資金計画を立てることをおすすめします。
③ランニングコストを削減
通常、店舗を運営する場合はテナントを借りる必要があり、毎月の家賃・共益費・光熱費などの固定費が発生します。
しかし、店舗併用住宅なら、住宅ローンの範囲内で建築できるため、家賃負担を抑えつつ店舗を持つことが可能です。
また、光熱費も住居と店舗を一体化することで節約できる場合があり、固定費を抑えながら長期的に経営しやすい環境を作ることができます。
④ 賃貸物件より間取りやデザインの自由度が高い
店舗を開く際、テナントなどの賃貸物件では間取りや内装に制限があることが一般的です。
壁の撤去や設備の変更ができなかったり、オーナーの許可が必要だったりするため、理想の店舗づくりが難しいこともあります。
一方、注文住宅で店舗併用住宅を建てる場合、自分のこだわりを最大限反映できるのが大きな魅力です。
例えば、お客様と住居スペースの動線をしっかり分ける間取りにしたり、カフェなら木の温もりを感じるナチュラルなデザインにしたりと、コンセプトに合った空間を作ることが可能です。
また、開放的な窓や照明の配置、什器の造作など、細部にまでこだわることで、他にはない個性的なお店を演出できる点も魅力の一つです。
⑤ 家族との時間を確保しやすい
店舗併用住宅の最大の魅力の一つは、仕事と生活のバランスを取りやすい点です。
特に子育て世帯にとっては、家庭と仕事の両立がしやすくなるため、大きなメリットがあります。
通勤時間を削減することができ、子どもの送り迎えや家事を効率よくこなしつつ、家族との時間をしっかりと確保できます。
これにより、仕事とプライベートの両方に満足できる生活が実現できるため、子育て中の方やワークライフバランスを大切にする方々にとっては、理想的な住まいの形と言えます。
【 設計のポイント4選 】
① 店舗と住居の動線を分ける
店舗併用住宅では、仕事と生活が混ざらないように、店舗と住居の動線(通る道)を分けることが大切です。
例えば、店舗の入り口と住居の玄関を別々に作ることで、住居のプライバシーを守りやすくなります。
これにより、お客様が来ても家族の生活スペースが守られるため、安心して暮らすことができます。
② 駐車場やアクセスを考える
店舗に来るお客様が車を使う場合、駐車スペースが必要になります。
特に住宅街や駅から遠い場所では、駐車場がないと集客が難しくなることもあるため、看板や案内表示を工夫することで、初めてのお客様でも迷わずお店に来れるようにすることが大切です。
土地の広さに限りがある場合は、近隣の月極駐車場を借りるなどの対策を取ることで、より多くのお客様にスムーズに訪れていただけるようになります。
③ 防音対策を施す
お店の営業中の音が住居部分に響かないように、防音対策を考えることが大切です。
例えば、防音ドアを使ったり、壁を厚くすることで、騒音が家族の生活空間に影響を与えないようにできます。
特に、飲食店や美容サロンなど、来客が多く音が大きくなる業種では、これらの防音対策は必須です。
さらに、近隣の方への配慮も重要です。
お店の営業音や機械音が周囲に迷惑をかけないよう、音量をコントロールしたり、営業時間を適切に設定することも考慮することが大切です。
こうした配慮により、近隣との良好な関係を築き、地域との調和を保ちながら、快適な店舗運営が実現できます。
④ 外観デザインを工夫する
店舗を住宅街で運営する場合、外観デザインが重要です。
店舗併用住宅だからといって、目立ちすぎるデザインにしてしまうと、周囲の景観に調和しないことがあります。
そのため、木の温もりを活かしたナチュラルテイストなデザイン、スタイリッシュで洗練された印象のシンプルモダン、落ち着いた雰囲気で和の要素を取り入れた和モダンなど、周囲の環境に馴染むデザインを選ぶことが大切です。
これらのポイントを押さえることで、機能的で快適な店舗併用住宅が実現できます。
以上、「家の一部をお店にするメリットと設計のポイント」についてお話いたしました!
店舗併用住宅は、通勤時間の削減やランニングコストの節約など、ライフスタイルを豊かにする魅力的な方法です。
住宅ローンを活用することで、経済的な負担を軽減し、生活と仕事の動線を工夫することで、プライバシーを確保しながらも、時間を有効活用して事業に専念することで、仕事と生活をうまく両立させ、充実したライフスタイルを実現することができます。
これから家を建てる方や、自宅でお店を開きたいと考えている方は、ぜひ参考にいただければ幸いです ^^
次回のコラムでは、「家の一部をお店にする法規制と施工事例」についてご紹介しますので、ぜひお楽しみにお待ちください!
それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。
